むし歯
むし歯とは
むし歯とは、むし歯菌(ミュータンス菌)が口腔内に出す酸によって、歯のエナメル質、カルシウム、リンなどが溶かされ穴が開く病気です。
むし歯の原因
むし歯の原因は主に「歯質」「むし歯菌(ミュータンス菌)」「糖質」の3つの要因が重なって発生します。むし歯菌は、えさとして糖質を取り込んで酸を出し、歯質の弱い歯を溶かします。むし歯を予防するためには、酸が作られないような生活習慣を意識し、しっかり歯磨きをすることが大切です。
歯質
歯質とは、エナメル質や象牙質、セメント質など歯をつくっている成分のことを指します。歯質を強くする方法としては、歯科医院でフッ素を塗布し、歯のエナメル質を強化しすることなどがあります。歯質の強さ・弱さには遺伝的な要因もありますが、生活習慣が乱れていたり歯磨きが不十分だったりすると、歯質が強くてもむし歯になることがあります。
むし歯菌(ミュータンス菌)
口腔内には約400種類程の細菌があり、善玉菌と悪玉菌があります。そのバランスが崩れて悪玉菌が優勢になるとむし歯菌が増殖してむし歯になりやすくなります。むし歯菌の増殖を抑えるためには口腔内を清潔に保つ必要があります。
糖分
よく「甘いものを食べるとむし歯になる」と言われますが、それには理由があります。むし歯菌(ミュータンス菌)は、糖分をえさにして歯を溶かす酸をつくりだします。つまり甘いものを食べると、むし歯菌が活発化し、むし歯が進行してしまうのです。
むし歯の治療
初期むし歯
初期段階では歯の表面にむし歯ができても、自然治癒できる可能性があります。歯を削らない保存療法として、フッ素塗布などを行ないます。ただ、初期のむし歯は自覚症状がほぼないので、歯を削らないためにも、歯科医院での定期的な検診をおすすめします。
進行したむし歯(C1~2)
むし歯がC1~2まで進行するとむし歯が神経に近づくので、冷たいものがしみるように感じます。初期むし歯のような自然治癒はのぞめません。治療方法としては、歯を削ってむし歯を取り除き、詰め物で補います。再発の予防のため、むし歯だけでなくその周辺も削ります。
進行したむし歯(C3)
むし歯がC3まで進行すると、神経や血管などがある根管まで細菌が進入するため、むし歯部分が痛むようになります。また、神経のない歯であっても痛みや腫れが起こります。そのため、根管治療をする必要があります。具体的には、すでに感染している歯髄や歯根にたまった膿などを除去し、根管を消毒します。さらに再発の予防として、充填剤と薬剤で密封してから被せ物をします。
C4までむし歯が進行すると、神経が死んでしまい、痛みを感じないことがあります。場合によっては抜歯します。